第112回医師国家試験 割れ問特集 A問題編

割れ問特集 A問題編

割れ問とは受験生の間で解答が分かれた問題です。どちらかが正解でどちらかが間違え。つまり、合否を左右する問題でもあります。(皆が正解する問題・皆が間違える問題は、合否には影響しないです)

では、第112回医師国家試験のA問題の割れ問を見ていきましょう。

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112A9

粘液水腫性昏睡について正しいのはどれか。
a 男性に多い。
b 夏季に多い。
c 橋本脳症とも呼ばれる。
d 治療において甲状腺ホルモンの投与は必須ではない。
e 基礎にある甲状腺疾患に他の要因が重層しておこる。

解答

e

粘液水腫昏睡(myxedema coma)とは、甲状腺機能低下症による神経細胞の代謝低下が基礎にあり、重度で長期にわたる甲状腺ホルモンの欠乏に何らかの誘因(薬剤・感染症など)が加わって低体温(35℃以下)・呼吸不全(低換気)・循環不全などから中枢神経系の機能障害(JCS10以上)を来す病態である。治療は大量のl-T4投与。もし入手可能であれば注射薬を用いるがなければ胃管で投与する。

橋本脳症とは、自己抗体が直接神経細胞を攻撃することによって起こるものなので粘液水腫性昏睡とは別の病態であると考えられる。

112A15

妊娠初期の超音波検査で診断できるのはどれか。
3つ選べ。
a 稽留流産
b 異所性妊娠
c 胎児発育不全
d 胎児21trisomy
e 2絨膜2羊膜性双胎

解答

abe

胎児発育不全は中期〜後期にエコーで確認できる。

nuchal translucencyによって染色体異常のリスクは上がるが、21 trisomyと断言はできない。羊水検査にて確定できるので、エコーは関係ない。

ゆえにa,b,eが正しい。

112A22

75歳の男性。頭部の皮疹を主訴に来院した。皮疹は3か月前に同部位を打撲した後に出現し、徐々に拡大して、わずかな刺激で出血するようになってきた。頭部の写真を別に示す。
この疾患について正しいのはどれか。

a 肺転移しやすい。
b 生検は禁忌である。
c HIV感染と関連がある。
d 九州・沖縄地方に多い。
e レーザー治療が著効する。

解答

a 血管肉腫

Angiosarcomaはわずかな外傷が誘引となり、易出血性の局面を呈する。生検により確定診断となる。発症部位によって病態に差が見られているが、中でも皮膚原発は悪性度が高く、特に頭部顔面発症例は単一カテゴリーとして扱われている。

  1. 高齢者の頭皮に好発
  2. 局所多発性
  3. 進展拡大が早い
  4. 再発しやすい
  5. 遠隔転移、特に肺転移を起こしやすい
  6. 予後は極めて悪い

という特徴を持つ。治療は広範囲切除、放射線化学療法など。

112A57

48歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。同行した家人によると、3年前からかかりつけ医で2型糖尿病の内服治療を受けている。喫煙歴はないが、毎日缶ビール500mLを1、2本程度飲むという。昨日は糖尿病の薬を普段通りに内服し、夕食時に缶ビール3本に加えて日本酒2合を飲んで就寝した。朝になっても起きてこないので家人が様子を見に行ったところ反応がおかしかったので救急車を要請した。意識レベルはJCSⅡ-20。身長170cm、体重81kg。体温35.7℃。心拍数92/分、整。血圧156/98mmHg。呼吸数24/分。SpO₂99 % (room air)。家人が持参してきていたお薬手帳を別に示す。
血糖に加えて、まず確認すべき血液検査項目はどれか。

a 乳 酸
b ケトン体
c インスリン
d アルコール
e 血清浸透圧

解答

a
メトホルミン(ビグアナイド薬)を750mg/日から1500mg/日に増量している。
さらに、大量飲酒のエピソードあり。
よって、メトホルミンの副作用で乳酸アシドーシスを起こしていると考える。

次はB問題の割れ問を解説します!

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