映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」ネタバレ医学的レビュー!

先日、8年越しの花嫁を見に行きました。

実話をもとにした映画なのですが、この花嫁の病気はとても珍しいものであり、どのように描かれているか気になったからです。

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本当に起きた、最高の奇跡。

実はこの映画は2015年2月、YouTubeに投稿された動画がきっかけで製作されました。そのタイトルは「8年越しの花嫁」。岡山のあるカップルに起きた奇跡を映し出したその動画は、瞬く間に話題となりました。

そして、2017年12月16日にこの映画が公開となりました。

ではまず、ストーリーを確認します。

あらすじ

結婚を約束したカップル、尚志と麻衣は幸せ絶頂だったある日、突然麻衣の体を原因不明の病が襲い、意識不明となってしまいます。いつ目がさめるかわからない状態に、麻衣の両親は尚志のことを思い、「もう麻衣のことは忘れて他の人を探して欲しい」と言いますが、尚志は諦めず麻衣のそばで回復を祈り続けます。1年半が経ちやっと意識を取り戻した麻衣。しかし尚志に関する記憶を全て失っています。絶望した尚志は麻衣の元から消える覚悟をし、小豆島で働き始めます。麻衣は結婚コンサルタントの人から、尚志が記念日に毎年結婚式場を予約していたことを知り、その記念日のパスコードを入力することで当時のケータイのロックを解除することができます。そのケータイには尚志が麻衣の回復を思って毎日記録していた動画が数百件入っていました。麻衣はそれを見て尚志のことを思い出そうと努力します。そして小豆島へ1人で行き、尚志に告白をします。

「もう一度好きになりました」

「俺はずっと好きだよ」

こうして二人は失われた8年を埋めながら幸せに結婚式を開きます。そして子供も授かったのでした。

麻衣の病気、抗NMDA受容体脳炎とは

脳内で興奮刺激を伝える「NMDA受容体」が、卵巣奇形種などによる免疫反応でできた抗体からの攻撃を受けて機能低下し発症します。頭痛など風邪に似た症状で始まり、数日で幻覚や幻聴などの精神症状が現れます。さらに痙攣発作や意識障害を伴い、昏睡状態に陥ることもあります。意思とは無関係に体が動く不随意運動も特徴的です。映画「エクソシスト」の少女はこの病気だったとされます。日本国内の年間発症率は300万人に1人程度と、とても珍しい疾患です。

麻衣はどうなった?

まず麻衣は風邪のような症状を自覚しました。そして、尚志の思い出話を聞き自分の記憶がなくなっていることも自覚します。

この時点で大脳の炎症反応が高まり、広範囲な脳の炎症が起こっていると考えられます。

統合失調症のグルタミン仮説によると、NMDA受容体の障害により統合失調症のさまざまな症状が出てしまいます。

麻衣は尚志の車に乗り込む途中で幻覚や幻聴のあまりに大声を出し暴れ、顔をかきむしっているシーンもありました。

一般人からするとまさに、頭が狂ってしまった、悪魔に取り憑かれた(エクソシストのように)と思ってしまうぐらいの症状でしょう。

麻衣は救急外来にて意識レベルが低下し、心室細動を起こしてしまいます。広範囲な脳の炎症による脳浮腫、そして脳ヘルニアが起こり脳幹を圧迫していたのだと考えられます。幸い電気的除細動により一命を取り留めますが、昏睡状態になってしまいました。

呼吸をさせるために首から気管切開をし、チューブを入れていました。のちに縫合されますがとても見た目は悪くなってしまっていました。この時の土屋太鳳の演技力すごいです。

その後、卵巣に腫瘍があることがわかります。麻衣の母は卵巣を温存したまま腫瘍を摘出することを望みます。

実は卵巣奇形種を取り除かない限り抗体が産生してしまう可能性があるので卵巣全摘の方が良いと思うのですが、麻衣の母は将来子供が産めるようにと卵巣を残そうと思ったのですね。

腫瘍切除後は、体の中にある抗体と抗体産生細胞を減らす治療をします。具体的には、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量療法、血漿交換療法です。

ステロイドにより顔はパンパンにむくみます。この時の土屋太鳳は目も当てられないくらいひどい姿になっていました。それでも尚志は回復を信じ愛し続けるのでした。

実は抗NMDA抗体脳炎は腫瘍が見つかり摘出できれば予後はいい病気です。麻衣は目をさましてからリハビリによりぐんぐん良くなって行きます。しかし失われた記憶だけは取り戻せないのでした。

このころ麻衣は車椅子に乗っています。理由は、長い神経の方が障害されやすいため、手よりも足の運動神経の回復が悪かった、ということと長いベッド生活とステロイドのため、骨も筋肉も減少してしまったためだと考えられます。長期間のリハビリののちには健康に歩くことができるのではないかと思います。

感動のシーン。泣きます。

告白シーン。小豆島の夜景が美しすぎます。佐藤健のセリフも顔もかっこよすぎます。泣いてしまいました。

その後、結婚式のシーン。車椅子できた麻衣は立ち上がり、尚志と誓いのキスをします。泣きます。

そして二人は子供を授かったという文字で映画は終わります。

しかし!!!!!!

また泣きます。主題歌であるback numberの「瞬き」のせいです。

うわー歌詞が身に染みる!!

「幸せとは
星が降る夜と眩しい朝が
繰り返すようなものじゃなく
大切な人に降りかかった
雨に傘をさせることだ

瞬きもせずに目を凝らしても
見つかる類(たぐい)のものじゃない
だから側にいて欲しいんだ」

普通映画で泣いた時はクレジットシーンで落ち着きを取り戻すものですが、back numberのせいで、明るくなって周りの人と泣き顔を晒し合う羽目になりましたよ!!

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