ドラマ『アンナチュラル』から学ぶ法医学!第1話

ドラマ『アンナチュラル』から学ぶ法医学!第1話

2018年1月12日金曜日夜10時放送のドラマ『アンナチュラル』第1話をネタバレ解説していきます!

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Unnatural Death #1 名前のない毒

あらすじ

法医解剖医の三澄ミコト(石原さとみ)が働く不自然死究明研究所(unnatural death Investigation laboratory)=通称UDIラボでは、東京都23区外、西武蔵野市を中心に、全国津々浦々で発見された異状死体や犯罪死体を引き受けている。警察や自治体から依頼されて運ばれてくる遺体は年間約400体。その遺体を解剖し、死因を究明するのが、ミコトたちUDIラボの仕事だ。

UDIラボには、三澄班と中堂班の2チームが存在する。三澄班は執刀医のミコト、臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、記録員の久部六郎(窪田正孝)。中堂班は法医解剖医の中堂系(井浦新)、臨床検査技師の坂本誠(飯尾和樹)。そして、それらの個性的なメンバーを束ねるのが所長の神倉保夫(松重豊)だ。

そんなある日、中年夫婦がUDIを訪ねてきた。一人暮らしで突然死した息子・高野島渡の死因に納得がいかないという。警察医の見立ては「虚血性心疾患」。しかし息子は、まだまだ若く、身体も丈夫で元気だった。心不全という死因は、あまりにも不自然だ。なにか、ほかの原因があるのではないか。夫婦は、もっときちんと死因を調べてくれという。

ミコトたちは、さっそく、解剖に取り掛かった。すると心臓にはなんの異状もなく、代わりに、急性腎不全の症状が見つかる。
ミコトたちは、薬毒物死を疑い、詳細な検査にかけるが、死因となった毒物が何かがどうしても特定できない。
そんな折、高野島と一緒に仕事をしていた若い女性同僚が、高野島が亡くなった翌日に、原因不明の突然死を遂げていたことが判明する。

死因を究明すべく高野島のアパートでミコト、六郎、東海林が調査をしていると、高野島の遺体の第一発見者でもある婚約者・馬場路子が現れる。
馬場の仕事は、なんと劇薬毒物製品である、エチレングリコールの開発だった。

馬場が、もしまだ誰も知らない未知の毒物、すなわち「名前のない毒」を開発していたとしたら……。既存の毒物と比較検出するだけの、現在の毒物鑑定システムでは、「名前のない毒」を検出できない。すなわち、完全犯罪が成立する。
「高野島が死んだときの私のアリバイ?いいえ。一人で自宅にいたのでアリバイはありません」悠然と微笑む馬場路子だった。しかし、現場にあったクッキーからはエチレングリコールは検出されなかった。

その後、ミコトは高野島渡がサウジアラビアに出張に行っていたことを知り、高野の死因がMARS コロナウイルスであることを突き止める。高野が帰国後、東央医大病院の健診に行っていたことがわかり、東央医大病院の職員や患者を検査した結果、MARS感染が拡大していることがわかり、大規模な除染や患者の隔離が行われた。マスコミはこぞって取り上げ、高野の両親はMARS感染の悪者として世間から酷い扱いを受けることとなった。

しかし、高野が帰国後、恋人の馬場と濃厚なキスを20回以上していたと聞いたミコトは馬場に感染がないかどうか検査したが陰性だった。そして、感染はサウジアラビアではなく帰国後に起きたのではないかと推測する。そして、東央医大にはコロナウイルスの研究施設があることを知り、そこから漏れたのではないかと疑う。

所長が東央医大の学長を問い詰めるが吐かなかった。ミコトは東央医大の患者のうち不自然な死を遂げた患者の遺体からコロナウイルスを検出し、それを学長に突きつけた。まもなく記者会見が行われ、東央医大のコロナウイルス漏出という前代未聞の不祥事が明らかになった。

テーマ:感染症の拡大に対する世論

テーマはいろいろ織り込まれています。毒物殺人、MARS、海外からの輸入感染症への怯え・報道、大学の隠蔽体質などです。中でも、感染の拡大に対する世論の動向は注目すべきだと思います。まるで2014年に流行したデング熱のようでした。

毒物とは

一般に、どんな物質も摂取しすぎれば毒となりえます。

たとえば、ビタミンCは体に良いと言われますが、体重1kgあたり12gのビタミンCを飲むと死にます。体重50kgの人だと600gです。

生体に薬物を投与した時の最大反応の50%の効果を表す用量をED50といいます。対して薬は毒にもなるわけで、対象の半数を殺す用量をLD50といいます。

ED50とLD50の容量の差が大きい物質は安全性が高いですが、差が小さい物質は危険ということになります。

法医学では中毒死のスクリーニングを200種ほど行いますが、どんな物質でも毒となりうることから、中毒死の死因を完璧に判明させるのは難しいことだとわかります。

エチレングリコールとは

エチレングリコールは甘味を持ち、生体内で代謝を受けると有毒化します。代謝物のシュウ酸による低カルシウム血症、シュウ酸カルシウムの析出による腎障害を引き起こします。不凍液の誤飲や、ワインなどの食品添加物に誤用(過去、日本やドイツでは故意に利用)されて中毒事件の発生や社会問題化することもあります。

誤飲した場合や自殺目的で飲用した場合は、代謝を拮抗するためにエタノールを投与し、エチレングリコールが代謝されずに尿から排泄されるのを待つ、というのが治療になります。

急性腎不全とは

腎臓は常に血液を濾過し、尿素などの不要物を捨てたり血液のバランスを整えています。そんな腎臓が腎不全を起こすと血液の質が悪くなり、多臓器不全を引き起こし、やがて死に至ります。

急性腎不全は原因のレベルにより腎前性、腎性、腎後性と大別されます。

腎前性急性腎不全

腎血流の低下により糸球体濾過率が低下し、乏尿となった状態です。腎臓自体の機能は保たれています。急激な血圧低下が主な原因で、大量出血、脱水、ショック、心筋梗塞などがあります。

腎性急性腎不全

腎自体が障害され、濾過能低下、尿量減少がみられる状態です。急性糸球体腎炎、急性尿細管壊死(ATN)などがあげられます。薬物投与(抗がん剤、造影剤、抗生物質)や薬剤に対するアレルギー、溶血性尿毒症症候群、横紋筋融解症(挫滅症候群、過激な運動や急激な運動)などが原因となります。

腎後性急性腎不全

厳密には腎から排出する尿路に閉塞があり、尿が出せない状態です。尿路閉塞、前立腺肥大、繰り返す膀胱炎などが原因となり、両側の水腎症をひきおこします。

MARS コロナウイルス とは

MERSコロナウイルス(マーズコロナウイルス、英: Middle East respiratory syndrome coronavirus, MERS-CoV)とは中東呼吸器症候群 (Middle East Respiratory Syndrome=MERS) の病原体かつSARSコロナウイルスに似ているコロナウイルス(ベータ型)である。

MERSコロナウイルス
目 : ニドウイルス目
科 : コロナウイルス科
亜科 : コロナウイルス亜科
属 : ベータコロナウイルス属
種 : MERSコロナウイルス

2015年6月16日(火)時点において(韓国180人を含む)1293人感染・458人死亡。感染地域は2015年5月に韓国・中国に拡大しています。

最近は韓国で流行したのが記憶に新しいですね。

中東に行かれる方は注意してくださいね。

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