112回医師国家試験【禁忌肢問題】がついに判明!

メディックメディアが総力を挙げて禁忌選択肢を割り出しています

医師国家試験の解答速報でおなじみ『講師速報』には8000人の選択データが溜められています。そこから分析することにより、禁忌問題を割り出すことに成功したようです!

さすがメディックメディア!この医学系出版社は、もはや医師国家試験業界のトップに君臨しています。なんと今年から『医師国家試験模試』を始めるそうです。詳細は分かり次第記事にしていきますね!

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禁忌問題とは?

禁忌肢問題は国試の全400問中10問ほどあります。必修問題だけでなく、総論や各論からも出題されています。禁忌肢問題は正答率によって左右されず、4問以上間違えると下の画像のように一発で不合格になります。


今年は禁忌肢を1問でも踏んだ人は112回国試受験生全体の約半数いて、禁忌肢落ちした人は全国で少なくとも20人以上いるそうです。

禁忌判定と推測される問題3問がこちら

112C26

臨床 小児科 正答率:66%

日齢 21 の新生児。母子手帳の便色カードを見て、便の色が薄いことに気付いた母親に連れられて来院した。在胎 39 週、出生体重 2,800g で出生し、出生時に異常は指摘されなかった。完全母乳栄養である。体重3,200 g。体温37.0 ℃。心拍数 110/ 分、整。血圧 80/40mmHg 。呼吸数32/ 分。 Sp02 98 % (room air) 。四肢を活発に動かしている。皮府および眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨満しており、肝を肋骨弓下に 3cm 触知する。腸雑音の尤進はない。患児の便の写真(別冊No. 3) を別に示す。
母親への説明で適切なのはどれか。

a 「母乳をやめましょう」
b 「すぐに血液検査をしましょう」
c 「1週間後に便を持参してください」
d 「便の細菌を調べる必要があります」
e 「この便の色であれば再受診の必要はありません」

解答

正解:b

a: 0% b: 67% c: 6% d: 0% e: 25%

写真は灰白色便。
灰白色便の原因としては、腹部が軽度膨隆していることや眼球結膜に黄染があることも含めて胆道閉鎖症が疑われ、精査が必要です。

ちなみにeが禁忌でした。

112A16

各論 臨床 血液疾患 正答率:87%

50歳の女性。全身の皮下出血と鼻出血とを主訴に来院した。特に誘因なく右肩の紫斑が出現した。
その後大腿や下腿にも紫斑が出現し、今朝から鼻出血が止まらないため受診した。5年前に乳癌に対して手術と抗癌化学療法とを受けた。血液所見:赤血球 278万、Hb8.8g/dl、Ht25%、白血球700、血小板5.1万、PT-INR1.2(基準値0.9~1.1)、APTT30.6秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン74mg/dL(基準200~400)、血漿FDP110μg/ml(基準10以下)、Dダイマー9.6μg/mL(基準1.0以下)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.2 )を別に示す。
この患者に対する治療薬として適切なのはどれか。

a 抗エストロゲン薬
b 全トランス型レチノイン酸
c トラネキサム酸
d ドセタキセル
e ヘパリン

解答

正解:b

a: 0% b: 86% c: 1% d: 2% e: 8%

APLとそれに合併するDICです。

DIC治療で最も重要なのは、基礎疾患を治療することであり、まずはATRAを使用します。ただ、ATRAにはAPLを分化誘導させるだけではなく、APLに合併したDICも改善させる効果があります。
ATRA投与後のAPLの分化誘導には月単位でかかりますが、DICは日単位で改善します。APLに対するATRA療法は、DIC治療を兼ねていることになります。以下のサイトを参考に。
http://www.3nai.jp/weblog/entry/22519.html

答えはb

禁忌選択肢はeでした

112A21

各論 臨床 医学的知識・診察・診断 正答率:81%

78歳の男性。4日前に肺がんのため右上葉切除術およびリンパ節郭清術を受けて入院中である。術後経過は順調だが、胸腔ドレーンはわずかな空気漏れがあり排液はやや血性のため留置している。
昨日からせん妄症述がみられている。本日午後9時に患者は就寝していたが、2時間後には覚醒しており胸腔ドレーンが抜けていた。
呼吸音に変化はみられず、直ちに胸部エックス線撮影を行ったが、日中に撮影した画像と比較して変化はみられない。Sp02 99%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)であり、胸腔ドレーン抜去前と比較して低下はみられない。
行うべき処置はどれか。
a 右胸腔穿刺を行う。
b ドレーン刺入部を縫合する。
c 気管挿管下に人工呼吸管理を開始する。
d 抜けた胸腔ドレーンを刺入部から再挿入する。
e 鼻カニューラをマスクに交換し8L/分で酸素を投与する。

解答

正解:b

a: 5% b: 82% c: 0% d: 10% e: 0%

ドレーンの目的ですが、大きく2つあります。
①ドレナージとしての役割
術後出血があり、血が溜まってしまうと創の癒合が遅れるだけでなく、細菌感染の培養母地を作ってしまうことになります。よってドレナージすることが必要になるわけです。
②情報を得る
ドレーンの排液の性状を見ながら、術後経過が良好かどうかをみるためにも使います。血性か、黄色透明か、量はどのくらいかなどに注意してみていきます。

後は乳癌術後などでは自己拡張式のドレーンパックを用いて陰圧をかけ、創部を吸着させる目的でも使われます。

この症例の場合は術後4日経過しており、経過良好であることからドレーンは抜去したままで良い。
抜けたドレーンを再挿入するのは感染予防の面からまずいため、dが禁忌でした。

112A30

5歳の男児。頭痛と嘔吐とを主訴に両親に連れられて来院した。1か月前から徐々に歩行がふらつくようになった。1週間前から頭痛と嘔吐が出現した。頭痛は早朝起床時に強いという。嘔吐は噴射状に起こるが、嘔吐後、気分不良はすぐに改善し飲食可能となる。意識は清明。体温36.2℃。脈拍92/分、整。血圧116/78mmHg。呼吸数20/分。CT検査のできる総合病院への紹介を検討している。
緊急度を判断するために当院でまず行うべき検査はどれか。
a 脳 波
b 眼底検査
c 視野検査
d 脳脊髄液検査
e 頭部エックス線撮影

解答

正解:b
a: 1% b: 89% c: 3% d: 4% e: 1%
頭蓋内病変による頭蓋内圧亢進の状態を考えるため、眼底検査でうっ血乳頭確認します。
dの髄液穿刺は頭蓋内圧亢進疑いのあるこの疾患では禁忌と判定されました。

112D32

12歳の女児。右大腿部から膝の痛みを主訴に来院した。1か月前に友人とぶつかって転倒した後から、痛みが出現した。様子をみていたが痛みが軽快しないため受診した。身長148cm、体重50kg。体温36.3℃。右股関節前方に圧痛を認める。歩行は疼痛のため困難である。右股関節可動域は屈曲と内旋とに制限がある。血液生化学所見に異常を認めない。股関節のエックス線写真(別冊No.15A~C)を別に示す。
初期対応として適切なのはどれか。
a 関節穿刺
b 減量指導
c 右下肢の免荷
d 抗菌薬の投与
e 股関節の可動域訓練

解答

正解:c
a: 0% b: 2% c: 94% d: 0% e: 1%
画像所見より大腿骨頭すべり症が考えられる。
“まずは”で免荷を除外する理由がない。
保存的加療が第1なのでc
eは病状悪化の可能性があるため禁忌。

112D46

75歳の女性。抑うつ気分を訴えるのを心配した隣人に付き添われて来院した。約3年前から徐々に物忘れが進行し、2年前にAlzheimer型認知症と診断され、ドネペジルを服用している。5か月前に長男が交通事故で死亡し、その直後から著明な抑うつ傾向を認め、「生きていても仕方がない」と頻繁に口にするようになった。夫は10年前に死亡し、現在は一人暮らしである。診察時、「死んだ長男のことばかり考えているだけなので、治療は受けなくていい。家族にも連絡しないで欲しい」と述べる。身体診察では異常所見を認めない。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは19点(30点満点)。
対応として適切なのはどれか。
a ドネペジルを増量する。
b できるだけ安静にするよう指示する。
c 家族への連絡の承諾を得られるよう説得する。
d 病状を地域の精神保健福祉センターに連絡する。
e 付き添ってきた隣人の同意を得て医療保護入院とする。

解答

正解:c

a: 1% b: 2% c: 63% d: 28% e: 3%

この問題のテーマは、緊急性の高い入院適応のある患者をどうやって入院させるか。

アルツハイマー型認知症
→長男の死亡
→抑うつ状態
→希死念慮
→このまま返す訳にはいかない。
→入院適応あり

a ドネペジルを増量する。
→で?自殺を防げない。

b できるだけ安静にするよう指示する。
→で?自殺を防げない。

c 家族への連絡の承諾を得られるよう説得する。
→本人が同意していないので、医療保護入院にする必要がある。
家族がいるなら家族の同意が必用
→説得をして悪いことはない。
→説得ができない場合に、次の手を考えればよい。

よってこれが正解。

d 病状を地域の精神保健福祉センターに連絡する。
→で?
精神保健福祉相談をしても、現状は解決しない。

精神保健福祉センターの業務は、「1. 企画立案」「2. 技術指導および技術援助」「3. 人材育成」「4. 普及啓発」「5. 調査研究および必要な統計資料の収集整備」「6. 精神保健福祉相談」「7. 組織育成」「8. 精神医療審査会の審査に関する事務」「9. 自立支援医療(精神通院医療)ならびに精神障害者保健福祉手帳の判定等の業務」に大別されます。

結局、精神保健福祉センターが本人に同意を取って、家族と連絡を取ることになるのでは?

医療保護入院の同意者は、家族がいない場合は、市町村。

e 付き添ってきた隣人の同意を得て医療保護入院とする。
→隣人の同意では医療保護入院は出来ない。
法律違反なので禁忌である。

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