割れ問特集 E問題編
E問題では5問です!
112E3
成長および発達に異常を認めない体重9kgの1歳0か月の男児が1日に必要とするエネルギー量(kcal)はどれか。
a 600
b 900
c 1,200
d 1,500
e 1,800
解答
b
112E6
筋肉注射に適さないのはどれか。
a 三角筋
b 大殿筋
c 中殿筋
d 上腕二頭筋
e 大腿四頭筋(外側広筋)
解答
d (不適切問題として不正解でも減点はなしとなった)
筋肉注射の部位として三角筋,大腿四頭筋,中殿筋が一般的.中殿筋を穿刺する際に大殿筋も刺入することもあるため,残る上腕二頭筋が筋肉注射に適さないと考える.
112E40
52歳の男性。突然の心停止のため救急車で搬入された。マラソン競技大会で走行中に突然倒れ、直後から呼びかけに反応なく、呼吸もなかった。現場で大会救護員が胸骨圧迫を開始し、AEDによる音声指示でショックを1回施行した。救急隊到着時の意識レベルはJCSⅢ-300。頸動脈の拍動は触知可能であった。救命救急センター搬入時の意識レベルはGCS6。心拍数96/分(洞調律)。血圧108/72
mmHg。呼吸数24/分。SpO₂100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。
脳保護のために行うべき治療はどれか。
a 人工過換気
b 体温管理療法
c 静脈麻酔薬投与
d 高浸透圧利尿薬投与
e 副腎皮質ステロイド投与
解答
b
“院外でのVFによる心停止後、心拍が再開した昏睡状態(質問に対して意味のある応答がない)の成人患者に対しては、心拍再開後治療のバンドルの一部として体温管理療法(24 時間以上、32~36 °C)を行う。”
JRC 蘇生ガイドライン2015より引用
http://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2016/04/0e5445d84c8c2a31aaa17db0a9c67b76.pdf
AHA ACLS2015 でもほぼ同様の内容です。
112E42-43
68歳の女性。意識障害と右上下肢の麻痺のため救急車で搬入された。
現病歴: 3年前から高血圧症と心房細動に対して降圧薬と抗凝固薬との内服治療を受けていた。夕方、夫との買い物の途中で右手に力が入らなくなり、右足の動きも悪くなった。帰宅後、玄関先に倒れ込んでしまい意識もはっきりしない様子であったため、夫が救急車を要請した。
既往歴: 7歳時に急性糸球体腎炎で入院。
生活歴: 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴: 父親が高血圧症で治療歴あり。
現 症: 意識レベルはGCS9 (E3V2M4)。身長158cm、体重54kg。体温35.8℃。心拍数68/分、不整。血圧192/88mmHg。呼吸数10/分。SpO₂97 % (鼻カニューラ4L/分酸素投与下)。頸静脈の怒張を認めない。心音は心尖部を最強点とするⅡ/Ⅳの収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。右上下肢に弛緩性麻痺を認める。
検査所見: 血液所見:赤血球398万、Hb10.2 g/dL、Ht34%、白血球8,800、血小板22万、PT-INR2.1(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、AST 18 U/L、ALT12U/L、尿素窒素22mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、Na138mEq/L、K4.8mEq/L、Cl109mEq/L。頭部CTで左被殻に広範な高吸収域を認める。
CT撮影を終え処置室に戻ってきたところ、呼吸状態が悪化した。舌根沈下が強く、用手気道確保を行ったがSpO₂の改善がみられなかった。
E42
この患者にまず行う気道管理として適切なのはどれか。
a 経口気管挿管
b 経鼻気管挿管
c 輪状甲状靱帯切開
d 経鼻エアウェイ挿入
e ラリンジアルマスク挿入
その後の経過: 薬物療法とリハビリテーションによって順調に回復した。この患者に抗凝固薬を再開すべきかどうかについて文献検索を行うため、患者の問題を以下のようにPICOで定式化した。
Patient(対象患者):高血圧症と心房細動とを合併した脳出血の女性
Intervention (介入):抗凝固薬内服再開
Comparison (対照):抗凝固薬内服中止
Outcome(結果):(ア)
E43
(ア)に適さない項目はどれか。
a 出血の増加
b 心房細動の改善
c 生命予後の延長
d 入院機会の減少
e 脳梗塞発症率の低下
解答
E42
a
経鼻エアウェイは脳出血があるから禁忌であり、気管挿管が良い
E43
b
心房細動の改善に抗凝固薬はエビデンスがない
ほかの選択肢は脳出血の合併の増加したかなど、薬物療法の効果判定に有効。