診療報酬改定2018
つい最近診療報酬が改定されました。
その内容をざっくり説明すると、診療報酬が約2%ほど下がるというものでした。
これについて解説して行きたいと思います。
診療報酬とは
日本の医療には国民皆保険という仕組みがあります。
国民全員でお金を貯めて、病気になった時に治療費の大部分を出してもらおう!という制度です。
0〜6歳が2割負担、6〜70歳が3割負担、70〜75歳が1割負担、そしてなんと生活保護を受けている人は無料で医療を受けることができます。平均すると私たちは約12%しか医療費を払っておらず、88%が保険と国費で賄われています。
その医療費がどれくらいかを決まるのが診療報酬設定であり、たとえば風邪で受信した時の、診察・検査・処方のすべての項目に値段が設定されたいます。
そして今回の改定で診療報酬が約2%減るということは、病院に入ってくるお金が2%減るわけです。
しかし悪夢はこれだけではありません。
消費税増税
安倍内閣の方針によりますと消費税は2019年10月に10%に引き上げられます。
もちろん医療材料にも消費税はかかります。病院が薬や検査キットや注射針を買う時に消費税を払っているわけです。その消費税が2%増税するのです。
これはつまり病院の経営コストが2%増加することを意味します。
すると…
単純計算で病院の売り上げは4%下がる
というわけです。もちろん単純計算なのですが4%は大きいでしょう。
ただでさえ赤字経営が多く、医師の過重労働が問題になっている現在です。この4%を埋め合わせるために、医療関係者の雇用は減り、給料は減り、仕事量は増え、残業も増えてしまうわけです。
このままだと医療業界は疲弊し、多くの病院は潰れ、夜間救急などコストが高く利益が低い部門は次々と閉鎖してしまうことでしょう。こんなこと、国民の誰も望んでいないはずです。
牛丼屋は牛肉の価格が上がった時、牛肉の質を下げてこれまでと同じ値段でやっていくことができるかもしれません。
しかし、医療の質は下げられません。命がかかっているからです。下げると訴訟問題になりより高額な賠償を背負わされてしまいます。
それでも今後は質を下げる病院が出てくることでしょう。
解決法はAIか。
最近中国のAI搭載ロボットが中国の医師国家試験に合格したというニュースがありました。これからはコスト削減のため医師に取って代わってAIが病院で働き始めるのかもしれません。確かに病院経営にとっては明るいですが、多くの医師は職を失ってしまうでしょう。
行動を起こす時です。
この記事を読んだ人が何かを感じたならば、未来の医療についてなにかできることをやっていってほしいです。今後もっともっと診療報酬は減り、医療は残酷な現実を迎えていくはずです。戦えるのは我々だと思います。
おわり。
コメント
はじめまして。医大生とは関係ないですが、医療系学生の備忘録をしております。
薬学生のものです。薬剤師国家試験に向けて備忘録的なことを書いていますが、医学生の方も読んで頂いております。勉強ブログですが、面白みはないと思います。
勉強する意味を問うことが主たる目的です。
医大生の身内がいる関係で、医大生のことに興味を感じています。
共に医療をよくしていくことを考えていきませんか。
返信よろしくです。
ちんまりした学生さん、よろしくお願いします。共に医療の未来を考えていきましょう!!