ドラマ『アンナチュラル』から学ぶ法医学!第2話

 ドラマ『アンナチュラル』から学ぶ法医学!第2話

2018年1月19日金曜日夜10時放送のドラマ『アンナチュラル』第2話をネタバレ解説していきます!

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Unnatural Death #2 死にたがりの手紙

あらすじ

ミコト(石原さとみ)らUDIメンバーは警察の依頼により、集団練炭自殺の現場に出向く。
そこには4人の遺体があり、刑事の毛利(大倉孝二)は事件性がないと主張するが、ミコトは解剖することを決める。
解剖の結果、3人は一酸化炭素中毒で自殺と断定された。ところが、ひとりの少女は赤血球が全て破壊されており、死因は“凍死”であることが判明。さらにその少女の胃の中から、解読不可能なダイイングメッセージが発見される。間違いなく事件であると確信したミコト、六郎(窪田正孝)らUDIメンバーは、所長の神倉(松重豊)に止められながらも、身元不明の少女が残したメッセージの意味を必死で解読しようとする。そんな中、ある理由から突然ミコトは六郎を温泉に誘う。温泉地へと向かったミコトと六郎は、驚くべき事実を突き止める。
だが、そんな2人を絶対絶命のピンチが襲う!!
集団自殺に見せかけた事件の真相とは一体?

テーマ:ネット関連殺人事件

今回の事件は「神奈川県座間市のアパートから9人のバラバラ遺体が見つかった事件」に類似しています。自殺サイトやツイッターなどで女性のふりをする“ネカマ”が若い自殺志願のある女性に近づき、その心の弱さに漬け込んで、最終的にレイプをして殺してしまうという事件です。

CO中毒

COとは空気よりも軽く、無色無臭の気体です。人間が吸うと血中のヘモグロビンと酸素の270倍もくっつきやすいので、体内のヘモグロビンには酸素の代わりにCOがくっついてしまい、臓器が虚血になるわけです。そしてミコトの行っていたように意識はしっかりとしたまま苦しみながら死んでいくのです。死後の体表はサーモンピンク色になります。これはCO-ヘモグロビンの複合体が鮮赤色をしているためです。

ピンク色の死体

先ほど書いたように、CO中毒の死体はサーモンピンク色となりますが、他の死因でピンク色となるものもあります。凍死と青酸カリ中毒です。

青酸カリ中毒

青酸カリ、青酸ナトリウムそのほかのシアン化物による中毒のことです。気体としては気道、液体としては消化管や皮膚から入って中毒現象を起こします。大量吸収は即死します。ソーダ塩中毒などの場合は急性中毒が多く、まず咽頭、食道、胃の灼熱感、疼痛、嘔吐、渇き感が現れ、5~10分後にめまい、嘔吐、発汗、頸胸部の狭窄感、呼吸困難が起こり、20分から数時間後、呼吸が停止して死亡します。青酸死体は独特のアンズ様臭気を発し、血液と組織が鮮紅色を呈します。青酸はチトクロム系酵素と結合してその機能を阻害し、組織呼吸を麻痺させます。応急処置では、換気とともに、チオ硫酸ソーダ、水酸化コバラミンを投与します。

青酸カリ中毒は名探偵コナンで頻出なので有名だと思います。コナン君がよくあんず臭がすると言っていますよね。

凍死

体温が35℃以下になると、戦慄や代謝亢進に より熱産生を高め、皮膚血管収縮により熱放散を 抑制することにより、体温低下を阻止しようとします。

失調期(33℃前後)

感覚障害や運動機能の障害が起こります。

麻痺期(32℃前後)

32~33℃から自律神経系の麻痺が始まり機能が低下し、32℃以下になると戦慄は止まり、意識障害、感覚鈍麻、幻覚等の中枢神経障害が見られるようになります。

虚脱期(30℃前後)

意識は失われ、心房細動などの不整脈が出現します。

生命臨界点は26~30℃です。

鮮赤色死斑(cherry red lividity)

凍死では低温下でヘモグロビンと酸素の結合が強く、また酸素消費も減少しているため酸素ヘモグロビン濃度が高いのを反映して、死体は鮮赤色になります。

しかし、あくまで静脈血は酸素が少ないため、右心房・右心室内の血液は暗赤色となります。

CO中毒の場合は静脈血も鮮赤色なので、ミコトが死因を特定できたわけです。

アンナチュラルの撮影現場です!皆さん仲良く撮影をされています!

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コメント

  1. まゆ より:

    初めまして。興味深く拝読しています。
    2018/1/19放送の「アンナチュラル」第二話ですが、座間9遺体事件(2017/10/31に発覚)よりも3か月前の7月に脚本を書いたと脚本家の方がツイッターでコメントされています。「モチーフにした」という表現はおやめになったほうが良いと思います。
    ご参考:https://sirabee.com/2018/01/20/20161467012/

    • CORONA より:

      まゆさん
      ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
      今後ともRoad to Doctorをよろしくお願いいたします。