ドラマ『アンナチュラル』から学ぶ法医学!第7話
2018年2月23日金曜日夜10時放送のドラマ『アンナチュラル』第7話をネタバレ解説していきます!
Unnatural Death #7 殺人遊戯
ある日、ミコト(石原さとみ)の携帯に「これを見たら電話をください」と謎のリンクアドレスが貼られたメールが届く。差出人は、予備校で働く弟・秋彦(小笠原海)から紹介された法医学に興味を持つ高校1年の男子生徒だ。
ミコトがアドレスをクリックすると、「殺人者S」と名乗る学生が、自分が殺したというYの遺体を「殺人実況生中継」としてライブ配信していた!!
殺人者Sはミコトに対し、「Yくんの死因はなんでしょう?」と挑戦状を叩きつける。
もし答えを間違えたら、人質になっているXも殺すという…!
中堂(井浦新)は挑発に乗るなと止めるが、ミコトはSの勝負に乗ることに。
しかし、ライブ配信で映し出される映像しか死因を特定するヒントはない。果たしてミコトは、遠隔診断でYの死因にたどり着けるのか!?
法医学者VS殺人者Sの勝負の結末は?
衝撃の事件には隠された秘密があった…。
顔ちっちゃい、手と同じくらいじゃんか、、、かわいすぎるじゃんか、、、
テーマ
いじめ・自殺・ネット生放送
今回も現代チックな問題について取り上げたこのドラマ。
私的には今までで1番面白い回でした。
突っ込みどころ
・学校にナイフを持ってきている小池くんやばすぎ
・背中から腹壁近くまで突き抜けた3本のナイフ、瀕死の本人がどうやって抜くの?
・凶器を隠すトリック、あれじゃ壁が血まみれになるはず
・もう1人殺すと言っていて、学校に来ていないもう1人の生徒Xはどこ行った?
突っ込みどころは満載ですが、ドラマとしてのドキドキハラハラ感は凄かったです。
もやもやした感じで終わるところ、その瞬間に流れ出す米津玄師の『Lemon』、中堂さんのかっこよさなど、とても表現豊かなドラマでした。
ショックについて
Yくんの死因は肝動脈損傷による出血性ショックでしたが、これについて解説します。
ショックは、血液の循環が悪くなり、全身の組織や臓器に血液が十分運ばれない状態です。 この状態が続くと臓器に酸素や栄養が十分運ばれなくなるので、 組織や臓器に重大な障害を引き起こします。
ショックの原因には、以下の4つが挙げられます。
①循環血液量減少性ショック(Hypovolemic shock)
出血や脱水による血液の量の減少が原因 (出血性ショック、熱傷性ショックなど)
②心原性ショック(Cardiogenic shock)
心臓のポンプ機能の低下などが原因(心筋梗塞、不整脈など
③閉塞性ショック(Obstructive shock)
緊張性気胸、心タンポナーデ、肺血栓塞栓症などにより、心臓に血液が戻ってこないことが原因
④血液分布異常性ショック(Distributive shock)
敗血症性ショック、アナフィラキシーショック、神経原性ショックなど
ショックの5P徴候
ショックに共通する症状として、ショックの5P徴候があります。
①蒼白(pallor)
②冷汗(perspiration)
③脈拍触知不能(pulseless)
④虚脱(prostration)
⑤呼吸不全(pulmonary insufficiency)
出血性ショックについて
出血性ショックは、外傷による出血の他、消化管など体内からの出血によって大量の血液がなくなった時にみられます。全身を巡る血液量は体重の7~8%といわれています。全血液量の20%以上の血液、つまり50kgの人なら800mlの血液がなくなるとショック症状が表れるようになります。
ショックの治療方法は原因により異なります。出血性ショックでは、まず出血量を推定し、細胞外液の輸液(リンゲル液、等張アルブミン製剤など)や輸血が行われます。これと同時に出血部位に対しての治療が必要です