ドラマ『アンナチュラル』から学ぶ法医学!第9話
2018年3月9日金曜日夜10時放送のドラマ『アンナチュラル』第9話をネタバレ解説していきます!
Unnatural Death #9 敵の姿
空き家に置かれたスーツケースの中から若い女性の遺体が発見された。
ミコト(石原さとみ)が遺体を確認すると、中堂(井浦新)の死んだ恋人・夕希子(橋本真実)と同じ“赤い金魚”の印が口内から見つかったーー!
“赤い金魚”が口の中に残されていたご遺体は、夕希子を含め過去に3体。
UDIは“赤い金魚”のあるご遺体は、同じ犯人によって殺された可能性が高いと毛利刑事(大倉孝二)に訴えるが、正式な証拠がないと訴えを却下される。
それでもミコトたちは犯人に繋がるヒントを見つけるため、スーツケースの中から見つかった女性を解剖し死因究明を進める。
ミコトは胃の内容物が、強烈な腐敗臭を放っていることに違和感を覚える。果たして女性の死因とは何なのか…?
その一方で、神倉(松重豊)は過去に週刊ジャーナルに掲載されたUDI関連の記事を見て、ある疑念を抱く…。
さらに警察庁を訪れた神倉は、驚くべき記事を目にすることに…!
そしてミコトと中堂は、とある証拠を発見し事件は急展開を迎える!
中堂の恋人を殺した犯人はいったい誰なのか!?
ホルマリン固定とは
今回の事件の殺害方法は「ホルムアルデヒド中毒」でした。
ホルムアルデヒドの水溶液を一般にホルマリンと言います。
ホルムアルデヒドはメチルアルコールを酸化したものであり、さらにホルムアルデヒドを酸化するとギ酸になります。今回の事件ではアリの死骸よりギ酸が検出されていました。
しかし、ギ酸にもアルデヒド基があり、ギ酸が酸化されるとなんと二酸化炭素と水になるのです。
では病理解剖で用いられる「固定」とはどういう意味なのでしょうか。
アルデヒド基は一般に還元性があります。タンパク質は還元されると変性し活性を持たなくなります。つまり、他の物質と反応しなくなるわけです。これが「ホルマリン固定」です。
他にアルコール固定がありますが、これはタンパク質を凝固させることにより固定します。